研究開発課題の概要
課題推進者1のグループと協同して、研究開発項目に取り組む。とりわけ本機関においては、光量子コンピュータの社会実装を目指すことを主目的とする。クラウドコンピュータとして運用できる実機をハードウェアとして早く具現化し、コンパイラ、アセンブラの開発を含めるマン・マシーン・インターフェースも構築していくことに特化している。
光量子コンピュータの開発要素は、大規模な汎用量子計算のためのシステムの構築と、誤り耐性を獲得するための補助状態の生成に分けて考えられる。本研究では、まず現状技術で大規模な汎用量子計算のためのシステムを構築し、光量子演算をシミュレートする。具体的には光ファイバーと光導波路を用いて、人力での光軸調整やメンテナンスをほとんどすることなく24時間365日安定に動作する光量子情報処理系に仕上げクラウドに上げる。このシステムは補助状態に関係なく動作し、光量子計算のためのプラットフォームとなる。このまま補助状態を付け加えないとエラーが大きく誤り耐性を持たないので、非ガウス型状態を時間分解能の高い光子検出器を用いた光子数識別測定により生成して、構築したプラットフォームへ加える。
こうして国内外で量子コンピュータとして動作しているとされる装置と同等以上のことを、光量子を用いてできることを示せることになり、次のステップとしてより多くのユーザー・研究者の協力を得てソフトウェア開発のためのツールを提供できるようになるであろうと期待できる。