誤り耐性型大規模汎用
光量子コンピュータの研究開発
プロジェクトマネージャー
古澤 明
東京大学 大学院工学系研究科 教授
プロジェクトマネージャーの古澤明は量子光学的手法を用いた量子情報物理の研究をしています。中心的課題は「量子テレポーテーション」です。
量子テレポーテーションとは、波動関数を伝送することですが、普通の「古典的」な方法では不可能です。波動関数を規定するには共役物理量の同時確定が必要ですが、これは量子力学の根幹である不確定性原理に矛盾するからです。量子テレポーテーションでは、EPR(アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼン)相関のある光を用いて、この不確定性の壁を回避しています。また、EPR相関は量子コンピューターの「心臓」であることから、量子テレポーテーションの研究は量子コンピューターの研究であるともいえます。
我々はこの量子テレポーテーション実験に世界で初めて成功し、さらなる高性能化を目指しています。この実験は世界的に注目されており、マイケル・クライトンのSF小説「タイムライン」にも取り上げられました。